Cherub(チェルブ)という中国のメーカーのクリップチューナーが最近発売されて良品だと話題になっているね。
充電式(typeC端子)のクリップチューナーという事で気になって買って見たぞ!
実際使ってみて、初心者からギター経験者まで満足できるチューナーなのか検証してみました。
良い所、イマイチな所をあくまで個人的な観点にはなりますが記録していこうと思います。
WST-905Liのスペック
サイズ | W28×D55×H49 mm |
重量 | 34g |
電源 | USB-typeC充電 |
測定精度 | ±1Cent |
リファレンスピッチ | 430〜450Hz |
測定モード | クロマチック/ギタースタンダード/ギターコンペンセーション/ベース/ウクレレ |
ちなみに価格は¥2,750-と中価格帯のチューナーです。
ザッとしたスペックはこんな感じ。
気になるのは「精度」「見やすさ」「使いやすさ」が優れているか、だな!
大事なこの項目を先に確認していきましょう。
測定精度・反応速度
メーカー表記だと±1Cent(セント)と凄く精度が高いかと言われると普通の部類です。
精度だけで見るとコルグの【PC-2:¥1,300-程】が同じ±1セントの精度だから値段の割に「おや?」という所だね。
PC-2の上位機種【PC-2+:¥2,500-程】が0.1セント、TC electronicの【UNITUNE:¥4,500-程】が0.02セントだから正直もうちょっと頑張って欲しかったな!
TC electronicと比較
同時に使用した動画撮ってみました、精度・反応速度を見ていきましょう。
反応速度に関してはメモリの細かさの差はありますが、TCのチューナーに負けず劣らずかなり早いです。
精度に関しても最後の細かい詰めは差があっても、セント表示が数値として出てくれるので従来の±1セントのチューナーより細かく詰める事ができるのはワンランク違う事は確かだね。
このくらいの反応速度と調整の扱いやすさがあれば¥2,750-というのも十分で反応が遅れるってストレスもないので十分だと思います。
視認性はかなり良い
先ほどの動画でも確認頂けたと思いますが、ディスプレイがかなり明るく、文字もドットではなく輪郭のはっきりとした文字なのでかなり見やすいです。
加えてディスプレイは左右360°回転、スタンド部分が前後動かす事が出来るのでヘッドのあらゆる部分に付けても見やすいです。
しかし、TC electronicのようにディスプレイを逆さにしても表示は変化しないのでご注意を。
その他いい所、イマイチな所
起動速度が早い
長押しでオンオフですが、起動時に余計な演出がないのですぐ使えて使い勝手良しです。
自動オフ機能が長めなのも良い
自動オフ機能が約5分後に起動するようになっています。
詳しくは記載がありませんが、おそらく無操作状態5分で自動オフになると思われます。
TC electronicのクリップチューナーはチューニング中でも起動3分後に勝手に切れてしまう仕様なので比べると、そこはストレス減だね。
typeC充電で使い勝手良し
最近のパソコンやスマホ、タブレットに多く採用されているtypeC端子での充電なのでわざわざ専用の電源コードを使わなくても、代用できるので緊急時や日々の手間が減るのはかなり良い所ですね。
ディスプレイモードが4つも要らない
デザイン、見栄えを選べる楽しみなのか分かりませんが、ディスプレイ2が一番シンプルでよくあるチューナーの表記に近く、他の表記は非常に見にくく、認識しにくいと感じました。
こんなにデザイン変えられなくて良いから、少しでもお値段を抑えて欲しかったな。
充電式だが4時間しか持たない
フル充電で4時間の使用が可能とのことなのですが、点けっぱなしで忘れていたら割と高頻度で充電しなくてはいけないようです。
電池式のタイプは機種にはよりますが、18時間〜20時間で一回の電池交換という所なので、5回充電する時間と1回の電池交換の時間を比べると手間を感じる人もいるかもしれません。
いざ、使いたいって時に充電が切れていた、なんてことの回数が増える可能性も、、
電池代が要らないし、買いに行く手間も減るし、エコではあるのでここは気持ちの問題ですね。
挟む部分が平らなのでギターを選ぶ可能性がある
TC electronicはクリップの端の点で挟むので多少厚いヘッドの楽器でも挟む事が出来ます。
チェルブの方はクリップの大部分が平らで並行幅より厚いヘッドになるとクリップの内側の点で挟む事になるのでしっかり固定する事が難しくなる可能性があります。
ピッチ変更ボタンの使用が面倒
ピッチリファレンス(対応周波数)が430〜450Hzと幅広く、画像の真ん中ボタン「A4/♭」を押して変更します。
しかしデフォルトの440Hzから441Hzに変更した後、また440Hzに戻す際にはボタンを連打して「441→442→443〜450→430〜439→440Hz」と30回ほど押さないと元に戻りません。
「A4/♭」を長押しすると高速で動くのですが、狙った位置を過ぎてしまうとまたやり直しという地獄が待っています。
ピッチ変更をしない方は全然問題ないですが、少し印象を変えるために441Hzでチューニングする方も結構いると思うので、ギター歴のある方は面倒と感じる事があると感じました。
CPS(コンペンセーション)チューニング機能
左の電源ボタンを押すごとにクロマチック→ギタースタンダード→コンペンセーション→ベース→ウクレレというチューニングモードが選べます。
あまり聞きなれない「コンペンセーション」チューニングというモードが搭載されているよ。
コンペンセーションチューニングとは
アコースティックギターの名手でもある「James Taylor(ジェームス・タイラー)」氏により編み出されたチューニングの定義でレギュラーチューニングよりあえて数セントずらしてチューニングすることでアコースティックギターの響きを最大限引き出す事が出来ると言われています。
1弦E -3セント
2弦B -6セント
3弦G -4セント
4弦D -8セント
5弦A -10セント
6弦E -12セント
ギタースタンダード(G STD)
ギターコンペンセーション(G CPS)
コンペンセーションの方は1弦1弦の音の高低の広がり(レンジ)が広く聞こえ、より皆が知っている綺麗なギターって感じに聞こえるな。
レンジが広い=良い音、という訳ではないですがアコースティックギター独特の箱鳴り感や鉄弦の煌びやかさが感じやすく、特に弾き語りやソロギターなんかで細かい音の広がりをこだわる方には良いと思いました。
レンジが広い=音の抜けが悪くなる、のでバンドアンサンブルなどでは音が埋もれてしまうので使い分けを考えましょう。
最後に伝えたい事:おすすめしたい人
Cherub(チェルブ)のWTS-905Liがどのような人にオススメかというと
ポイント
・クリップチューナーを持っていない人。
・±1セント以下の高精度のチューナーを持っていない人。
・使用中チューナーのディスプレイが見にくいと感じている人。
・そこそこの精度でtypeC充電のチューナーが欲しい人。
・コンペンセーションチューニングを多用する人。
すでに高精度のクリップチューナーを使用していたり、現状に満足している人は無理をして購入するものではないかな、、
クリップチューナー初めてって人や他の物をあまり試した事がないって人には精度も総合的には高いし、視認性はめちゃくちゃ高いから変速なチューニングをしない人には間違いない製品だぜ。
皆様のギターライフの参考になれば幸いです。
ではまた。
イノ